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事業承継、ソコが聞きたい! 第3回 親族内承継の後継者の適性と能力

 

今回は親族内の事業承継でとても大切な、後継者の適性や能力について解説します。

親族内の後継者の選定

後継者には資質と能力が備わっていることが望まれます。
資質や適性とは、すなわち後継者の人間性です。
もって生まれた気質も大きな要素ですが、長期に渡る子育ての中で培われる要素も多いです。親の背中を見て子は育つということでしょう。

一方、後継者としての能力は、後継者として選ばれたときから計画的に育成すれば習得させることができます。

求められる資質や適性1.「人間性が良い」

人間性が良い人とは、「信頼される人物」であり、「感謝の心を持っている人」です。
まず、誰からも信頼される人間でなければならないことは言うまでもありません。
信頼される人とは、たとえば「正直で表裏のない人」「嘘をつかない、裏切らない」「口が固い」「周囲を察知して気配りができる」など、基本的な人間力です。
また、「いまの自分があるのは、先祖、両親や学校の先生、友人、先輩、後輩など周囲の多くの人たちの応援があって成立している」というような感謝の心をもっていることが大切です。

求められる資質や適性2.「心身ともにタフである」

会社経営では景気のいい時も悪い時もあり、社内外にいろいろな問題や課題が生じます。
それらをその時々の状況に応じて適切に解決してゆくには、まず、心身ともに健康であることが必要です。
また、叩かれても立ち上がれる心のタフさも求められます。自己の感情のコントロールができ、嫌なことがあってもすぐにキレないで冷静に対応できることも大切な要素です。

求められる資質や適性3.「前向きで行動力がある」

何事にも前向きで明るく朗らかであることは、人間として大きな魅力の一つです。
その上で、決めたことをやり遂げる行動力・実行力を持っていることは言うまでもありません。

求められる資質や適性4.「リーダーシップがあること」

目標や方向性を具体的に明示して社員と共有し、全体を統率し、部下のやる気を引き出し、能力を最大限に発揮させ、目標を達成するリーダーシップが強く求められます。

求められる資質や適性5.「客観的に捉える素直な心」

経営者には、自社が今どのような状況にあるのか、強み・弱みが何かなど客観的に捉える視点が必要です。
そして状況の変化に臨機応変に対応し、ひとつの物事にこだわり過ぎず、ときには負けは負けと認めることも必要です。困難なときほど、他者の意見を聞き入れる素直さがあるかどうかも大切です。他者の意見を素直に受け止め分析し、冷静に見つめることで次の手が打てるようになります。

 

以上のような資質を持つ人が後継者の親族にいればよいのですが、不足した部分があっても親族ならば子育てから時間をかけて計画的に経営者としての資質を身につかせていくことも可能です。
この長期的な育成は、経営者自身の人間性が問われるところでもあります。

 

プロフィール

一般社団法人 多摩経営工房(多摩ラボ)

中小企業診断士、社会保険労務士、税理士、ITコーディネータ等の資格を持つプロのコンサルタント集団で構成されている。
さまざまな分野や業種での実務経験が豊富な専門家が、日本経済を支える中小企業の役に立ちたいという強い意思と情熱を持ち、また日本の中小企業が持つ優れた技術やサービスを広く海外に展開し、国際社会にも寄与すべく以下の活動を行っている。

  • 多摩地域の企業の経営課題解決のため、地元密着でサポート
  • 企業と行政・金融機関などを繋ぐパイプ役として、また専門的知識を活用した中小企業施策の活用支援など、幅広い活動を通して企業発展を支援

多摩経営工房(多摩ラボ)ホームページ
http://tama-labo.jp/

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プロフィールページ:落合 和雄(落合和雄税理士事務所)

 

 

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