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会社が訴えられたら6~会社が訴えられたときに備えて普段からとれる対策方法~

 

会社が訴えられると高額な賠償命令が出ることもありますし、裁判への対応が必要となって普段の営業にも支障が出てしまいます。
なるべくなら訴えられないよう日頃から慎重に対応し、万が一訴えられた場合に備えて対策もしておくべきです。

今回は、会社が訴えられたときに備えて普段からとっておくべき対策方法をご紹介していきます。

1.取引先、借入先への支払い関係を管理

会社が訴えられる場合、取引先や借入先への未入金が原因となるケースが多々あります。買掛金や貸付金を支払わなかったら、取引先や金融機関、リース債権者などが未払い金を請求してきて、話し合いで解決できなければ訴訟を起こされてしまいます。裁判で負けると遅延損害金つきの支払命令が出てしまい、それでも支払えなければ会社資産の差押えを受ける可能性もあります。

このようなリスクを防ぐため、まずは日頃から支払い管理をしっかり行いましょう。発注書や納品書、請求書類をきちんと整理して、いつどこにいくら入金するのかを把握し、漏れが発生しないようにします。

2.財務状況を確認する

次に会社の「財務状況」の確認も重要です。いくらきちんと支払い関係を把握していても、支払う資金がなかったら支払いは困難です。複数の債権者への支払いを滞納すると一気に支払い請求がかさんで倒産、という事態も起こります。

自社の財務状況は常に適切に把握しておき、まずい兆候があったらすぐに経営の建て直しや改善をはかりましょう。

3.契約書を作成し、契約内容を守る

会社が取引を行う際には、必ず契約書を作成すべきです。口約束などで取引を開始してしまったら、問題が起こったときに解決のための指標がなくなるからです。契約書があれば、それに従って解決できるので、相手から訴えたり自社が相手を訴えたりするリスクが低下します。

また契約書を作成したら、その内容を正確に把握することが重要です。どのような場合に相手から契約を解除されるのか、損害賠償金を請求されるのか、その場合いくらの損害賠償金が発生するのかなど、意識しておきましょう。

他者と契約をする際には、なるべく自社に損害賠償などの義務が発生しにくいような内容にしておき、契約締結後には相手から損害賠償や解除などの請求をされないように契約内容を守って対応すると、訴えられるリスクは大きく低下します。

4.労務管理をきちんと行う

会社を訴えてくるのは取引先や借入先だけではありません。自社の労働者から残業代不払いや不当解雇などで訴えられるケースも多々あります。裁判トラブルを避けるためには、日頃から労務管理をしっかり行うことが重要です。以下のような対応をとりましょう。

4-1.賃金関係の管理

従業員に賃金が適切に払われるように賃金計算や出退勤の管理をしっかり行いましょう。誰がいつからいつまで働いたのか、いくらの割増賃金を払うべきかなどきちんと管理して支払っていれば、残業代請求をされることはありません。

また退職金規程のある会社で従業員が退職したら、きちんと規程に従って速やかに退職金を支払いましょう。

4-2.採用、退職、解雇の管理

従業員の採用や退職、解雇関係でもトラブルが起こりやすいです。内定を取り消したとき、従業員に退職勧奨をするとき、解雇するときなどに従業員から「無効」と主張されて未払賃金などを請求されるパターンです。

訴えられないためには、法律上の要件を満たすことを確認してから上記のような行動をすべきです。

4-3.職場環境の整備

会社が従業員から訴えられる場合「職場環境配慮義務」違反を理由にされるケースも多数です。これは、セクハラやパワハラなどが起こって職場環境が悪化していても、企業側が適切な対応をとらなかったことによる責任です。

訴えられないためには、セクハラやパワハラを禁止する旨明らかにするとともに、問題が起こった際にはすぐに調査を開始し、状況に応じた適切な対応をとりましょう。またどのような対応をとったのか後に証明するため、記録を残しておくことも重要です。

4-4.労災対策

従業員が労災に遭ったときにも会社が訴えられるケースが多々あります。会社による安全管理義務違反があったと主張されるのです。
そうならないように、危険な業務に従事させる従業員がいる場合には二重三重の安全保護対策をとるべきです。長時間労働や過重労働によって疲れている従業員がいたら、休ませて事故を起こさせないようにしましょう。

労災が起こったときには決して労災隠しをせずに正直に労基署に深刻して、労働者による労災申請に協力する必要があります。

5.知的財産関係をチェックする体制を作る

知的財産関係で他社から訴えられるパターンも非常に多数です。この種のトラブルに備えるには、自社が使おうとしているロゴや技術などが他社によって既に登録されていないか調べることが大切です。
こちらの特許庁のサイトでは、簡単に登録商標や意匠、特許や実用新案などを調べることができるので、自社で使う前に一度簡易検索してみましょう。

https://www.j-platpat.inpit.go.jp/web/all/top/BTmTopPage

6.株主への対策

企業が株主から訴えられるケースもあります。
多くは株主総会に関するものです。招集通知を送らずに株主総会を開いたり、取締役会の決議無しに代表取締役以外の人が勝手に総会を招集したりした場合には総会は不存在となります。
株主平等の原則に反する決議が行われた場合などには株主総会が無効となります。
さらに株主総会の決議方法や招集方法に問題があった場合、株主総会の取消事由となります。
このように、株主総会に関して違法な対応をすると株主から訴えられるので、きちんと会社法の規定に従って手続きを進めましょう。

7.顧問弁護士をつける

会社が訴訟や法的トラブルへの効果的に対策を立てるには、さまざまな側面からの検討や対応が必要です。
これらについて、すべて自社内で完結することは困難と感じる企業が多いでしょう。特に専門の法務部門を持たない会社には負担が過大です。いったん訴えられると対応の手間もかかりますし従業員にも不安感を抱かせ社会からの信用も失ってしまって影響が大きくなります。
日頃から顧問弁護士をつけて、法務周りをサポートしてもらうことにより、効果的に法律トラブルを避けられます。弁護士がいたら万一訴えられても対応可能ですので、訴訟リスクを減らすため、一度顧問弁護士の導入をご検討されることをお勧めします。

この記事を書いた人:元弁護士 福谷陽子

京都大学法学部 在学中に司法試験に合格
勤務弁護士を経て独立、法律事務所を経営する
約10年の弁護士キャリアの後にライターに転身
現在は法律ジャンルを中心に、さまざまなメディアやサイトで積極的に執筆業を行っている