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知的財産、ソコが聞きたい! 第3回 商標編「登録商標の特徴・マークの意味」

 

知的財産の商標について、第2回はさまざまな商標の種類についてお話しました。今回はその続きで、商標権の特徴や性質、マークの意味などについて紹介します。

商標権は、土地の所有権と似ている

商標権は不動産の所有権に似た性質を持っています。

商標権は土地と同じように、第三者が勝手に使ったり権利を侵害したりすれば、差し止めの請求や損害賠償請求ができます。

また、所有する土地を使って賃貸物件や駐車場として貸し出すように、商標を貸し出して収益を上げることもできます。

登録できない文字や言葉

土地に私有地と公有地があるように、商標においても公共性がある言葉や文字などは個人や企業が商標として登録できないものがあります。

たとえば、「東京」「横浜」「大阪」といった地名のみの登録や、「米」「塩」「饅頭」といった一般的に誰もが使用している普通名詞などは、商標として個人が権利を持つことはできません。

使われていない商標は取り消されるおそれも

登録商標では、使用する期間について気をつけなければなりません。

正当な理由がなく3年以上使用していない登録商標は、取り消しの審判が請求される可能性があります。この「商標を使用していない」というのは、「実際の販売実績がない」、「営業の実績がない」という意味です。

この商標登録を取り消しする請求(不使用取消審判の請求)は、その商標を使用したい第三者が請求できますが、登録した側が登録商標の使用実績を証明して認められれば、取り消されることはありません。

商標に関するマークの意味

ところでみなさん、®というマーク(マルアール、Rマーク)を目にしたことがあると思います。

このほかにも、TMマークや©(マルシー)というマークがあります。これらはすべて、知的財産に関するマークです。

®マーク

®は「Registered Trademark」(登録商標)を意味します。

ですがこれは米国の連邦商標法上で規定されたものであり、日本では義務づけられていません。

TMマーク

TMマークは「Trademark」(商標)を意味します。

この商標は、登録がされていない商標です。つまり、出願前の商標や出願中の商標に付けられるわけです。

©マーク

©は「copyright」(著作権)を意味します。

書籍の最後のページや、ウェブサイトの一番下に書かれていることが多いですね。しかしこれも日本においては本来必要ありません。日本の著作物は、原稿を創作した瞬間から著作権が発生することになるからです。

商標権を「買う」?

2016年12月、住友ゴム工業は英国のスポーツダイレクトインターナショナル社から「ダンロップ」ブランドの商標権を買収すると発表しました。

これにより、住友ゴム工業はダンロップブランドのスポーツ用品を全世界で取り扱えるようになりました。またタイヤ事業では、住友ゴム工業が欧米やインドなどを除く86カ国でダンロップ商標権の所有権者となりました。

商標権を買収するメリット

ここで、商標権の買収にどんなメリットがあるのかを考えてみましょう。住友ゴム工業はなぜダンロップの商標権にこだわったのでしょうか。

商標権を買うということは、そのブランドにお金を払うお客様を獲得するということです。ブランドを立ち上げても、お客様を獲得するまでには時間がかかります。住友ゴム工業は、その時間を買収したのです。

ロールプレイングゲームで例えれば、いきなり高いレベルからスタートすることができたことになるのです。商標の買収とは、まさに「時は金なり」の考え方なのです。

次回は、商標の具体的な使い方について、ご説明いたします。

解説者プロフィール

平野泰弘(ひらの・やすひろ)さん
日本弁理士会所属:弁理士登録番号12757号
特定侵害訴訟代理業務付記弁理士。ファーイースト国際特許事務所代表。

大手総合メーカーの知的財産部門の社内弁理士を経てファーイースト国際特許事務所を開設。
特許庁の審査・審判、地裁、知財高裁、最高裁等の代理人受任の実績も豊富で、特許庁出願は5年間で連続1000件以上ある。テレビや新聞をはじめとしてメディア出演、掲載実績も多数。
著書に『社長、商標登録はお済みですか?』(ダイヤモンド社)

事務所ホームページ
https://riskzero.fareastpatent.com/

著書

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弁理士 平野 泰弘

 

 

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