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知的財産、ソコが聞きたい! 第2回 商標編「日本の商標制度」

 

知的財産の商標について、前回はピコ太郎さんのPPAPの事例とともにご紹介しました。また、日本での商標登録のはじまりが1884年のパリ条約の加盟だったこともお話ししました。今回はその続きで、現在の日本の商標制度について解説します。

日本の商標法とは

日本では、商標や商標権が「商標法」に定められています。

この商標法の第1条には、

「この法律は、商標を保護することにより、商標の使用をする者の業務上の信用の維持を図り、もつて産業の発達に寄与し、あわせて需要者の利益を保護することを目的とする」

とあります。
つまり私たちは、商品を購入したりサービスを利用したりするとき、商標をひとつの判断材料にできるのです。

商標が商品やサービスの品質を保証する

商標の具体例として、「コカ・コーラ」を考えてみましょう。
アメリカでは「コーラ」と名の付く飲み物が100種類以上あります。大型スーパーやコンビニなどが自社名を冠したコーラも販売しています。
しかし、「コカ・コーラ」の商標があることで、人々はこれがコカ・コーラ社の製造した「あのコーラ」であることがわかります。
ペプシともドクターペッパーやそのほかの飲み物とも違う、コカ・コーラの味の飲み物だということが、実際に蓋を開けて飲まなくてもわかります。
つまり商標とは、製品やサービスの品質を保証したものなのです。

商標にはさまざまな種類がある

商標法の第2条では、商標は、

「人の知覚によって認識できるもののうち、文字、図形、記号、立体的形状若しくは色彩又はこれらの結合、音その他政令で定めるもの」

と規定されています。
つまり、人間の視覚や聴覚を通して認識可能なものなら、基本的には何でも商標にできます。

ここで「図形商標」を例に考えましょう。
図形商標の有名な例として、
「クロネコヤマトの宅急便のクロネコの図形」
「アップルのかじられた林檎の図形」
「ナイキのレの形をした図形」
などがあります。
先ほどのコカ・コーラと異なるのは、これらの図形自体には言葉として認識できる文字は含まれてせん。
しかし、何の商標であるかを消費者にひと目で視覚的に知らせる効力があるのです。

新時代のメディアに対応した新しい商標

平成26年(2014年)の商標法の改正では、「音商標」「位置商標」「動き商標」など、新時代の技術革新に対応した商標も登録できるようになりました。
具体的にどういうものがあるかをご紹介しましょう。

音商標

音商標には、テレビCMに流れるインテル、アコム、味の素などのジングル(短い音楽)があります。
あなたが使っているWindowsやMacの起動音なども、音商標です。
これらは、音源ではなく楽譜で出願さています。

ホログラム商標

ホログラム商標は、ホログラフィーにより見る角度で変化して見える文字や図形などの情報です。
クレジットカードの表面にあるホログラムなどが代表的な例です。

色彩商標

色彩商標は、単色または複数の色彩の組合せのみからなる商標です。
代表的な例として、
「トンボの消しゴムの青・白・黒の組み合わせ」
「セブンイレブンの店頭に使われているオレンジ・緑・赤」
この2つが、色彩商標第一号の商品として話題になりました。

位置商標

位置商標は、標章に識別力がなくても、標章が常に特定の位置にあることにより、識別できるというものです。
有名なものには、レノボのノートパソコンのキーボードの中心に配置された、マウス替わりに操作できる赤いポインティングデバイスがあります。あの赤いポッチを見ただけで、レノボのノートパソコンだとすぐにわかるのです。

次回は、商標の具体的な使い方について、ご説明いたします。

解説者プロフィール

平野泰弘(ひらの・やすひろ)さん
日本弁理士会所属:弁理士登録番号12757号
特定侵害訴訟代理業務付記弁理士。ファーイースト国際特許事務所代表。

大手総合メーカーの知的財産部門の社内弁理士を経てファーイースト国際特許事務所を開設。
特許庁の審査・審判、地裁、知財高裁、最高裁等の代理人受任の実績も豊富で、特許庁出願は5年間で連続1000件以上ある。テレビや新聞をはじめとしてメディア出演、掲載実績も多数。
著書に『社長、商標登録はお済みですか?』(ダイヤモンド社)

事務所ホームページ
https://riskzero.fareastpatent.com/

著書

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弁理士 平野 泰弘