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「私が考える顧問選びのコツ」回答者:税理士 石橋將年(いしばし・まさとし)さん

企業経営者や資産家、プロフェッショナルにとり、専門外の分野や領域に心強い味方がいれば、さらに本来の力を発揮することができるはず。
一方で、積極的に企業の経営戦略に関わろうという専門家も増えてきました。 ここで困るのが顧問の選び方です。
単なるアウトソーシング先ではない顧問を探したい、顧問が欲しいという読者向けに、各界のプロが顧問選びのポイントを伝授します。

 

「顧問選びのコツを教えてください」という編集部の要望に快くお答えいただいたのは、日本橋に石橋税理士事務所を構える税理士の石橋將年先生。石橋先生に「税理士の顧問選び」を伝授していただきました。

(編集部)

1.優先順位を決めましょう

税理士に限らず、どんな人間にも長所・短所があります。選ぶ際の項目ですが、一般的には次のようになると思います。

  • 年齢(自分と同じくらいの年齢か?)
  • 性格(感じが良いか? 分からない事を気軽に聞けそうか?)
  • 報酬(費用は相場から外れていないか?)
  • 専門知識(特定の分野について他の税理士よりも知識・経験が豊富か?)
  • 立地(自宅や職場から近いか?)

全ての条件を満たす税理士を探してはいけません。そんな税理士はいませんから(笑)。
ですので、自分なりの優先順位をつけるのですが、私が選ぶ際は、つぎの優先順位で決めるでしょう。

性格>年齢>専門知識>立地>報酬

「専門知識が最優先じゃないの?」というご意見があるかもしれません。ですが、その専門知識を聞く際に、聞きづらい税理士であっては、お願いする意味がありません。ですので、まずは性格(聞きやすさ)と年齢を重視して選んでみましょう

2.ホームページを見る際のポイント

(1)本人の写真を見る

私であれば、最初に写真を見ます。もちろん、写真では性格は分からないのですが、迷ったときは、最後は直感になるかと思いますので。笑った写真があると、こちらも安心ですよね

(2)専門知識があるか?(分かりやすい記事+自分の経験を語る記事)

記事の質といっても、難しく考える必要はありません。簡単な言葉で分かりやすく説明しているかを見れば良いのです。逆に、難しい用語(例えば、選別する・認定する・適用する)が多くあるようなら、きちんと説明してもらえるのか、不安ですよね。

また、「○○という事例があって困ったが、○○のように解決した」というように、自分の経験を書いた記事が多くあると、経験値が高い専門家といえるかもしれません。

3.アポイントを取る際はどうすればよい?

電話やメールで聞くべき項目としては、次が挙げられます。

  • 相談内容(確定申告・会社決算といった、具体的にお願いしたい事項)
  • 相談料(初回相談料は無料なのか?)
  • 相談日時(平日だけでなく土日も可能か?)

本命の税理士には、お電話でアポイントを取るほうが良いかもしれません。
というのは、電話の応対で、ある程度、事務所の雰囲気が分かるからです。また、インターネットからのお問い合わせに慣れている事務所であれば、問題のポイントを整理してくれるでしょうし、メールの返信も早いと思います。

ただし、ご注意頂きたい点があります。
それは「無料相談だけが目的ではなく、きちんと依頼の意思がある」ということを伝えることです

依頼するお気持ちがあるのに、相談内容や予算の関係で成立しなかった。それは全く問題ありません。
ですが、なかには(とても少数ですが)聞きたいことだけを無料で聞こうという方もいらっしゃるんですね。ですので、その点にはお気をつけください。

4.相談当日の心構え

初回の相談時に注意して頂きたいのが、「質問の内容が期待通りでなくても、それだけで判断しない」ということです。
私がお受けする相談のなかに「現在、不動産投資をしているが、不動産管理会社を設立して節税したい」というものがあります。たしかに会社を設立すれば節税になるのですが、同時に社会保険料の負担が発生してしまいます(会社が役員にお給料を払う場合、そのお給料に高い率の社会保険料がかかるのです)。
税理士のなかには、そのことを知っていて(または本当に知らないで)安易に会社設立を勧める方もいらっしゃいます。会社設立すれば、税理士は報酬をもらえるのですから。

ですが、私の方針としては、税金だけを考えず、「税金+社会保険料」のトータルの負担で会社設立を考えます。ですので、私がご相談にのると、そのことをご説明し、いったんお帰り頂く事が多いです(私には1円も入りませんが、その方が相談者様のためになるからです)。
それらのことは、相談者様にはすぐには分からないかもしれません。ですので、相談中の税理士の態度や口調を見て、「この税理士は自分のことを心配してくれそうかな?」ということを第一に選ぶのが良いかと思います。

5.税理士が嬉しくなってしまう依頼者とは?

  • 全てをお話し頂ける方(売上等を隠されても困りますので・・・)
  • ある程度、税理士にお任せ頂ける方(人はお願いされると全力を尽くすものです)
  • 前の税理士先生の悪口を言わない方(こちらも陰で悪口を言われると思うと、モチベーションが下がります・・・)

以上、私が考える税理士選びのコツについてご説明してまいりました。繰り返しになりますが、まずは人柄、それから専門知識を確認してみてください。

他の資格(弁護士等)と違い、税理士との契約は長期になることが多いです。税理士をご紹介で探す方も多いと思いますが、その場合は、「断りにくい」「専門知識の有無」といったことが問題になると思います
ぜひ、ホームページで気に入った税理士があれば、積極的にお会いしてみてください。皆様にとって、良い税理士先生が見つかることをお祈り申し上げます。

回答者プロフィール

石橋將年(いしばし・まさとし)さん

東京都中央区築地出身。実家は築地市場で乾物屋を営む。

都内2カ所の税理士法人・会計事務所で十数年の実務経験を積み、東京都中央区日本橋茅場町にて平成23年に石橋税理士事務所を開業。

実家の商売上の様々な問題に直面し、また、実家での不動産賃貸業の経験を生かし、サラリーマン税理士にはできない、相手の立場に立った親身なアドバイスには定評がある。主な顧問先は中小企業・個人事業者・不動産オーナー・地主・士業(弁護士・弁理士等)・医師等。

「作業」よりも「相談」に重きをおいて仕事をするがモットー。

 

 

 

 

 

 

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