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【税理士 渋谷広志様インタビュー】 経理の延長ではない、経営のための税理士顧問 

税理士 渋谷広志様 インタビュー 聞き手:みんなの顧問編集部・斎藤

経理の延長ではない、経営のための税理士顧問

企業にとって一番身近な顧問といえばやはり税理士になるだろう。
今回伺ったのは東京の大手町駅から数駅の下町にある渋谷広志さんの税理士事務所である。
かつて税理士といえば、経理の延長や決算処理、税金対策のためだけに依頼することも多かったかもしれない。しかし現在の厳しい企業環境では、税理士にも経営的な知識やセンスを求められる。渋谷さんのご経験や現在のご活動を語っていただいた。

渋谷広志税理士 Hiroshi Shibuya

渋谷広志税理士事務所 代表税理士

プロフィール

1974年、新潟県生まれ。法政大学法学部政治学科卒。建設会社を経て、税理士法人に入所、調剤事業系会社での株式上場とM&A業務を担当後、現事務所を開業。顧問先の企業数が多いため、スタッフ育成にも注力している。家庭では3人の子を持つ父親で、休日の朝のマラソンが趣味。

リーマンショックの中での独立

東京都江東区にある門前仲町駅は、富岡八幡宮からほど近く、文字通りの門前町として栄えた。この土地に渋谷広志さんは税理士事務所をかまえる。
「キャリアのスタートとしては、事業会社で経理に携わったことが始まりです。税理を目指して税理士事務所に転職しました。2年間でひととおりの業務を覚えた後、経営的な経験を目指して上場を控えた事業会社に入りました」
中小企業ではなかなか体験できない成長経験をしたいとの思いから、事業会社に入って株式公開や金融機関との折衝、総会の運営などを幅広く経験した。

そして2008年、33歳の時に現在の事務所を開設する。
2008年はいわゆるリーマンショックが起きた年。米国の投資銀行であるリーマン・ブラザーズが史上最大の経営破綻をして世界的な金融危機が起こり、その後の日本の景気後退にも大きく影響した。

しかし、渋谷さんは「苦しい時が独立するのに良いタイミング」と開業する。
「このような時だからこそお客様と同じ目線と持つことができる」という考えは、「同じ悩みを持つ方々が当初のお客様となってくださり、苦楽を共にできてよかったと思います」と実を結ぶ。
税務の単純なアドバイスのみならず、経験の共有からくる助言は顧客にとっても心強いものとなる。新規の顧客も多いが、古くから長い付き合いのある顧客の割合も非常に多い。

最初の顧問先へのきっかけは「おでん屋さん」から

渋谷さんが最初に顧問先を得たきっかけは、大学の先輩からの紹介だった。
ただし学生時代の先輩ではなく、おでん屋さんの隣席で意気投合した方がたまたま同じ大学の卒業だったという話しで、渋谷さんが「2年以内に税理士に合格する!」と豪語したのがきっかけである。その時の出会いが、何年もの時を経て上場を目指す会社の紹介にもつながり、渋谷さんの開業の後押しのひとつにもなった。

付き合いの長い顧問先とは足掛け15年以上にもなり、互いにプライベートのことまでなんでも知っているので、家族のような間柄ともいえる。そのような関係性に応えようとするモチベーションもさることながら、さまざまな情報を把握できるからこそアドバイスの幅も広がり、結果として全体のパフォーマンスも上がる。
良好な付き合いが継続できれば、顧客と顧問の双方のメリットは大きい。たとえば、その企業の状況を見ながら、法人税、相続税、所得税のバランスを見て、個別の問題だけではなく、全体を最適化するアドバイスなどもできる。

開業した頃に印象に残るのは、税務調査がきっかけのとある依頼。
ある企業で多額の費用がかかった損金処理について税務署から指摘を受けたのだが、当時の顧問税理士がさじを投げたことから渋谷さんに依頼があった。そこで渋谷さんが半年をかけて綿密に調査をして対応したところ、最終的には税務署から「適正な処理」と是認されることとなった。
その経験もあって、税務調査には特に力を入れているという。
税務調査のポイントは、そもそも申告前から調査は始まっているということ。もちろん渋谷さんもダメなものはダメということもあるが、企業の行為にひとつひとつ合理性を与えていくことが大切だという。
また、企業がある程度成長してくると、将来を見据えたテクニカルなアドバイスが必要となる場合もあるので、企業のステージを見ることも大切である。

「生き残る会社」と「お客様が望むひとつ上のサービス」

中小企業が事業を長年に渡り継続するのは非常に難しいが、「どのような会社が成長し、生き残るのだろうか。」という問いかけに対し、「やはり、あくなき挑戦というか、新しい挑戦をされることです」と渋谷さんは考えている。

そのような意識の高い企業の挑戦にアドバイスをするためには、一般的な会計や税制改正の対応などはもちろんだが、日々の情報収集やプラスアルファのサービスも必要となる。
最近の企業の悩みは「人の問題」が多いので、一人の経営者からは見えない成功事例の紹介や共有などもしている。

現在の顧問先は100社弱。既存の顧客からの紹介も多いので、年々その数は増えている。
これだけの企業数を渋谷さんだけでは対応することはできないので、現場できちんと対応できるスタッフがうまく育ってきたことも大きい。既存の顧客からの紹介というのは、それぞれのスタッフの対応も含めて顧客が満足してのもの。
顧客数を増やすことやスタッフ育成には何かコツがあるのだろうか。

「当たり前のことを継続しています。最低でも月1回は勉強会をして、外部研修を受けることや税制改正や経営に関する勉強用のDVDを一緒に見たりしています」。必要なことをきちんと行う大切さを強調する。
「スタッフには、お客様が望むひとつ上のサービスを、ほんの少し上を考えよう、と言っています。『ほんのちょっとだけ』でいいのですが、その『ちょっと』を考えようと」
そのようなひとつひとつの積み重ねがお客様からお客様への紹介につながってきていると渋谷さんは考えている。

あくまで一例であるが、渋谷さんの事務所では、新規で訪れる顧客には、一般のお店がやっていることと同じように、ウェルカムボードを出したり、飲み物のメニューを出したりしている。一般のお店がやっていることと同じようなサービスをし「お客様に税理士事務所もサービス業と考えてもらえるように」配慮している。会社の業歴が2年以上あれば、決算資料を出してもらい、どうやったら借入しやすい決算書になるか、どのような節税が可能かなど将来の事業計画も見据えた決算のアドバイスもしている。

「真面目な税理士」というよりも「真摯なプロ」

渋谷さんの休日は土曜の朝食前に、体調管理も兼ねたマラソンから始まる。その距離15キロほどで、年に何回かマラソン大会にも出場する。その後は子どもたちと過ごす時間にしているが、月に数度は有志の勉強会に参加して自分の知識の向上のための時間にもあてる。
家庭では3人の子どもの父親で、職業柄もあって家もきれいにしないと気が済まないが、「子どもは汚すのが仕事なので」と苦笑しながら「よく片付けなさいと言っています」。

ところで、マラソンランナーには音楽を聴きながら走る人も多い。ところが、渋谷さんは「走りながら研修のDVDの音声を聞きます」。まさに走りながら考えるという感じだが、ご本人も「走っていても苦行なのに、さらに苦行と言われます」(笑)。

このような話を伺うと渋谷さんの真面目さがわかるが、士業の世界で「真面目」というと、いわゆる資格商売ゆえの融通が利かないイメージも湧いてくる。
しかし、渋谷さんの真面目さは異なる。さまざまな顧客の問題を解決するためには、最新の情報収集や勉強が必要で、スタッフ育成も大切。あらゆる場面に対処するための備えを常にしなければならない。

「企業や業界全体をより広く、俯瞰して考えていきたい」という柔らかな物腰の渋谷さんだが、杓子定規な答えよりも企業の成長という結果を重視する、プロフェッショナルとしての真摯さが伝わってくる。
今後は、一定規模の企業の「経営計画」、起業段階からの企業の育成や事業承継などを手伝う「起業支援」、そして備えに時間がかかる不動産オーナーを中心とした「相続」の3つの活動の発展を考えている。

最後に、顧問を持ちたいという人へのご意見をいだいた。

特に税理士については、初めての依頼では税理士の能力差はわからないことも多いので、フィーリングや直感も大切な要素だそう。
また、知人の経営者に紹介してもらうのも、実際にその経営者が満足しているからこそ紹介するのでメリットはある。
税理士のステージや得意分野、忙しさなどを見ることもポイントになる。

「最後は人と人。満足しているお客様がどのくらいいるのかが、大事だと思います」

渋谷広志税理士事務所(https://www.taxadvice.jp/
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