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【経営支援家 小島庄司様インタビュー】 アジア進出企業への支援活動顧問 

経営支援家 小島庄司様 インタビュー 聞き手:みんなの顧問編集部・斎藤

アジア進出企業への支援活動顧問

多くの日本企業が海外進出をしているが、現地のハードルはとても高い。ひとつ国境を越えれば、行政のしくみや法制度、言葉の問題や風習の違いによる異文化間のコミュニケーションギャップなど、数え上げればきりがないほどの障壁があり、日本で成功した企業であっても運営は至難の業になる。
特に現在の中国では、政治状況も含めて、非常に多くの日本企業の現地法人がその舵取りに苦労している。自身が中国現地法人の経営者であり、日本企業の現地法人の経営支援を行う小島庄司さんにご活動の経験と、企業と顧問との関係について語っていただいた。

小島庄司 Shoji Kojima

経営支援家
Dao and Crew.船長 小島(天津)企業管理咨詢有限公司 中小企業診断士

プロフィール

神戸大学法学部卒。コクヨ、UFJ総合研究所などを経て、2004年より中国の天津を中心に日本企業の現地法人に対する支援活動を行う。本人以外は全員中国人という中国国内での実際の経営経験を反映して、現地法人の現場が直面 する問題への支援活動を行う。中国・アジア向けビジネス情報誌等でもコラム連載を行っている。

中国での経営経験

小島庄司さんは中国で自ら経営支援会社を経営する経営支援家である。学生時代からの語学力もあっての海外進出かと思いきや、実はまったくそうではない。

「2004年に知人に依頼されて、日中合弁会社の雇われ経営者として天津市に渡りました。天津では北京語(標準語)を使いますが、実は中国語の知識はゼロだったので最初は筆談からです(笑)」

中国に渡る直前には書籍の付録CDで発音練習をしたそうだが、現地に着くなり売上もお客さんもほぼゼロということがわかり、とにかく受注できる仕事を探すことからのスタートとなった。そこから始まった仕事が現地法人への支援活動だった。

数字と漢字で経営はなんとかわかりますから、と事もなげに言うものの、とにかく会社を黒字化するのに必死だったので言葉の問題ですら小さな悩みになったのかもしれない。
それと同時に、多くの企業が直面する困難の多くを小島さん自身も体験してきた。日中の合弁会社ゆえの苦労もあって、自分で100パーセント投資した経営を実践して体験しなければとの実感も出てくる。

その後の2012年、中国の天津市内に自身の会社を設立する。日本の尖閣諸島の国有化などで日中関係が大きく悪化したまさにその年で、大規模な反日デモが行われ、多くの日本企業は襲撃されて大きな被害を受けた。日本企業はチャイナリスクという新たな課題に直面して、日系企業の縮小、撤退という新たな困難の中での船出となった。
しかし、それまでの地道な実績や、信頼できる現地の法律家とのパートナーシップもあって、顧客企業には誰もが知るような大きな企業や関連会社の現地法人の名が並んでいる。

「競合はいません」

日本企業の海外活動をサポートする企業には、大手のコンサルタントや法律事務所などもあるが、棲み分けはできているという。
「競合はいません」とまで言える秘密とは、一体どのようなものだろうか?
「普通はそこまでしない、ということをやるだけです」と小島さんは言い切る。

日本の会社から社員が海外赴任して駐在する任期は通常2年から4年ほど。赴任してきて総経理や工場長になり、わずか数年で結果を出すのはとても大変なことだ。現地法人の日本人スタッフは人手不足で現場を誰も管理できないことも多い。
労務問題が起きれば、日本では考えられないような状況にも直面する。強面の「家族」を引き連れて工場の門前で騒がれたり、徒党を組んで凄まれたりすれば対処に戸惑うのも当然といえる。
そのような時、必要であれば小島さんのスタッフや弁護士が前面に出てその場に行き交渉する。単なる助言だけではなく、現地法人の経営者の安全を確保しながら、諸問題の解決の現場にも対応するのである。

現地法人がそのような経験をすれば、現地法人の再発予防のための規則づくりなどの依頼も当然出てくる。 「後方支援も、側方支援も、前方支援も全部やります」と小島さん。たしかに、そこまでする人はそうそういない。だからこそ、いまでは一切営業せずにクチコミの紹介依頼だけで活動できるのだろう。

顧問選びの基準とは

一般的な顧問業とは異なる活動をする小島さんに顧問選びの方法を伺うと、次の5つのポイントを挙げた。

  • ポイント1.「顧問候補の会社や事務所自身が実践できているか?」
  • ポイント2.「2番手、3番手に仕事を任せられそうか?」
  • ポイント3.「わかりにくい専門用語を多用するかどうか?」
  • ポイント4.「経営の目線で助言、支援してくれるか?」
  • ポイント5.「成功報酬を提案した際、積極的に応じるか?」

顧問選びのポイント1.「顧問候補の会社や事務所自身が実践できているか?」

「顧問自身が専門領域で顧客の見本やショールームになっていないと、助言の説得力がない」と小島さん。
労務や組織の専門家であればきちんとしたチームがあって、ころころ担当者が変わらない。Webマーケティングの会社であれば自社の集客もWebで行っている。
「付き合うまで本当の様子はわからないかもしれませんが、事前連絡せずにふらっと事務所に寄ってみると、素の雰囲気がつかめます。トップ以外の人と雑談すれば社歴や担当歴も分かります」

顧問選びのポイント2.「2番手、3番手に仕事を任せられそうか?」

これは小島さん自身のコンサルタント時代の体験にも通じる。
どのような立派なコンサルティング会社であっても、実際にプロジェクトが動き出せば、ナンバー2やナンバー3の人間が実働の担当者になる。多忙なトップは受注までの看板にすぎない。
トップが担当してくれればよいかというと、そうとは限らず、顧客の多さから対応が雑になる場合もある。したがって、「実際の担当者になりそうな相手をよく観察して、話もしてみて、良い品質のサービスを継続して受けられるかどうかを判断することが大切」となる。

顧問選びのポイント3.「わかりにくい専門用語を多用するかどうか?」

専門用語を多用している事務所には気をつける。「コアコンピタンス」「ダイバーシティ」「戦略的」「クラウド」など、意味を解説せず安易に専門用語を使う相手は要注意。
難しいことを簡単に伝えるのが本物のプロであり、お客さんが理解しやすい、わかりやすい言葉で話すのが基本。話している本人が意味や本質をよく理解していない場合もある。
「よくわからない言葉が出てきたら、素直にどういう意味か尋ねてみてください」
もし、わかりやすく答えてくれたら対人能力は低いが専門性はある。説明が不明瞭だったりムッとしたりすれば失格。ものごとの本質を捉えられる人物かどうかはとても重要だ。

顧問選びのポイント4.「経営の目線で助言、支援してくれるか?」

特に士業は、経営者の顧問であり参謀役。顧客の持続的な発展や利益に貢献するという意志と目線が不可欠である。
「法律や規定に合うかどうかだけの杓子定規のアドバイスや、言われたアウトプットを提供しますというだけの姿勢では、経営者の顧問とはいえません」
単なる「◯◯屋」で終わらず、企業の行方を見据えた、本当の意味で経営に役立つ助言をしてくれるかを見る必要がある。

顧問選びのポイント5.「成功報酬を提案した際、積極的に応じるか?」

最後のポイントは、成果に対する熱意と自信があるのか。
「これ、成功報酬でやってもらえますか? と聞いて反応を見てください」
成功報酬と聞いて、拒絶反応や逃げの姿勢を示したら、仕事成果に対する自信や責任感がやや心配。成功した際の費用は通常より高くなりますがいいですか? という自信や責任があるかどうかは大きな目安になる。
もちろん、依頼内容や資格の種類によっては報酬規定もあるので、どのような場合でも有効とはいえないが、とりあえず聞いて様子をみる価値はある。

以上が顧問を見る際のポイントであるが、小島さんは「相手の本音を見ること、見せたくない部分をどう覗き見るかが大事」という。
「相手が本物かどうか、責任意識を見ることが大切なので、そういう目で突っ込んで見てほしい」と語る。

「世の中の現実を動かしたい」

「自分で責任を持ってやれるかどうか」は、小島さん自身の活動にも通じる。
取材を通じて「『コンサルタント』という文字はレポートや助言をするだけで仕事が終わるけれども、そのような肩書やジャンルには入りたくありません」と、小島さんは強調されていた。

その理由には、コンサルタント会社時代に、顧客から「ありがとう」と言われて分厚い報告書がしまわれ、仕事としてはお客様を満足させられたものの、自分の仕事が社会に活かされていないことへのやるせない思いからだという。

「何か世の中の現実を動かしたいです。課題の解決をやりたいのです」
力強くシンプルな想いで活動する小島さんは、中国だけではなく今後は日本を拠点にASEAN各国に展開をする。
中国偏重の反省からすでにアジア各国へと分散化を進めている企業も多いが、それぞれの国が豊かになれば、今日の中国と同じような問題は必ず起こる。その先の課題の発生を視野に入れて、小島さんの新たな活動が始まっている。