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【信頼できる顧問とは第二回】 税理士にも経営コンサルティングの知識が求められている! ランチェスター社労士 川端康浩

文:ランチェスター社労士 川端康浩

「信頼できる顧問の選び方」の第2回目です。

(第1回はこちら:【信頼できる顧問とは第一回】 士業の事務所の選び方とは!

士業と呼ばれる職業において、とりわけ税理士事務所、社会保険労務士事務所は、経営者の経営相談に直接対応する機会が多い職種であると思います。

税理士にも経営コンサルティングの知識が求められている

特に税理士は、税務だけでなく、売り上げや利益の目標数字の決定など、経営計画そのものである数字に関わります。

経営計画の中では、経営者は売り上げや経費などの数値計画を立てます。
3年や5年先の数値目標をどう設定するべきか。必要な経費項目の数字はどうなるのか。
たとえば、事業拡大のために新しく新社屋を建てるにはどのくらいの資金が必要になるのか、それに伴う人員増員時の人件費はいくら必要になるのかなど、数字として明確にする必要があります。
そこで、本来は「税の申告」など税務業務が本業であるはずの税理士に、経営計画について相談をします。

この時に経営者が税理士に求めるものは、税務のプロとしてのスキルではなくて、経営コンサルティングのスキルになります。

社会保険労務士に求めらる人材コンサルティング要素

税理士と同様に、社会保険労務士に対しても経営者は同様のスキルを求めます。

社会保険労務士の本来の業務は、従業員を労働基準法など労働法諸法に基づいて労務管理する業務や、人の雇用に関する労働保険、社会保険の手続き業務などです。
しかし、経営者が社労士に求めるスキルは、人材育成や職場環境の改善、採用の強化、高齢者やパートの活用方法、キャリアアップ対策などの人材コンサルティング要素です。

もちろん、士業としての本来の業務があっての付加価値なのはいうまでもありませんが、このようなスキルを相談相手に求める経営者は多いと思います。

士業の枠組みの範囲内だけの業務提供でよいのか

「信頼できる顧問」の条件として、基本的な業務能力の高さに加えて、経営コンサルティング業務を提供できる士業と顧問契約を結んだほうが、さまざまな提案を受けることができるので経営者にとって有益になります。
このような考え方への反論には、「士業は本来の業務を提供するのが本来の姿であるから、経営コンサルの要素を加えるのは提供する業務の本質から外れる」という意見があります。たしかに士業としてはそのとおりかもしれません。

税理士業は「税の申告業務」を行うのが本来の姿です。しかし、クライアントが求めるニーズに焦点を合わせて考えれば、経営者が求めるものや会社の業績向上に必要なものを適法なかぎり士業の業務を超えて提供すべきだと思います。
なによりも顧問先の会社の成長なくして、関わる士業の成長もありません。その成長のためにも、専門分野を持つ士業だからこそできるサービスを提供すべきだと思います。

このように自分の事務所が持つ専門分野をベースとして、付加価値を提供することは、士業の事務所の発展にもつながります。

毎年、士業になるための資格試験が行われています。
その試験の合格者の中からは毎年一定数の人が開業登録をして士業の業界に出てきます。廃業する士業も一定数はいるものの、開業する士業のほうが多いので、業界内で士業の数が少しずつ増え続けます。そして市場には同じ資格を持った士業がたくさんいる競合状態になります。

企業がたくさんの競合がいる市場で生き残るためには、「経営戦略」という勝つための知恵が必要ですが、士業にとっても同じです。
同じ資格取得者が数多く存在して競合する市場の中で生き残るためには、士業にも「経営戦略」をきちんと立てて実行することが求められています。
このような市場原理の中で経営の実践を行いながら付加価値の提供を行う士業こそが、企業の成長や発展に貢献できることになります。

「士業が提供する業務と付加価値」についてお話ししましたが、この士業が提供する「業務と付加価値」そのものが競合に勝つための「戦略」になります。

次回は顧問先から選ばれるための「士業にとっての付加価値」について考えます。

【信頼できる顧問とは 第三回】士業の経営戦略とは

執筆者プロフィール

川端康浩(かわばた・やすひろ)

社会保険労務士 アサヒマネジメント/かわばた社会保険労務士事務所代表

人事コンサルの経験を活かしながら経営者と人事向けのランチェスター研修の活動も行う社会保険労務士。会社の強みを活かしたしくみづくりと実践支援が好評で、著書には『会社が得する!社員も納得!就業規則』(ソーテック社)、『一位づくりで会社も社員も変わる ランチェスター経営戦略シート活用のツボ』(セルバ出版)がある。

 

 

 

 

 

 

 

 

著書