相続のお困りごとを相談できる「法律や税務などの専門家」を探せる相続情報サイト
みんなの顧問・相続とは?

【エンディングノートで終活を始めよう】自治体から無料入手する方法を紹介

【エンディングノートで終活を始めよう】自治体から無料入手する方法を紹介

「エンディングノートに関心があるけど、どこで入手できるのだろう」
「自治体でエンディングノートをもらえると聞いたが本当?」
「終活を始めるためには、エンディングノートがおすすめ?」

相続に備えて、生前から準備をしようと思っても何から始めればよいか迷ってしまうものです。そこで、ご自身のことをわかりやすくまとめるために、「エンディングノート」が広く活用されています。今回の記事では、エンディングノートについて自治体で無料入手する方法を中心に、詳しく紹介します。

エンディングノートとは

終活に広く使われているエンディングノートとは、「人生の後半を迎えるにあたり、家族や自分のために記録する」ためのノートです。書式や記載に法的な制約は設けられておらず、自由に記載できます。たとえば、以下のような内容を記載することが多いでしょう。

エンディングノートに記載する内容例

  • 服薬や通院の記録
  • 葬儀に関する要望
  • お墓についてどうするか
  • 遺品整理に関するお願い
  • 死去後に連絡をしてほしい友人や知人の連絡先
  • 遺言書の保管場所 など

エンディングノートはなぜ活用しやすい?

エンディングノートは終活の1つとして、多くの方がすでに活用をしています。なぜエンディングノートは活用しやすいのでしょうか。その理由は、主に以下の3つです。

1.書きたいことを漏れなく記載できる

エンディングノートはただのノートに、思いつくまま記載することができます。また、エンディングノートとして販売されているものは、預貯金口座や証券口座、葬儀に関することなど多くの方が書き記したい項目がすでに設けられているため、頭を整理しながら記載を進めることができます。

遺言書のように遺言内容に絞って記載するものではないため、書きたいことを漏れなく記載できるのです。年齢を重ねたら、書きたいことを更新や追加もできます。

2.費用がかからない

エンディングノートは後述しますが、自治体にて無料でもらえることがあります。また、市販されているものであっても、数百円から1,000円台で販売されており、低価格で始められます。

3.身の回りを整理するきっかけになる

エンディングノートをきっかけに、身の回りの整理をする方も多くなっています。不要な預貯金口座を解約したり、投資の見直しにつながったりと、ノートを書いていくことが終活の後押しにつながるのです。

自治体から無料でエンディングノートはもらえる?

エンディングノートは本屋やAmazonなどの通販サイトで購入できますが、自治体によっては無料で配布しているところもあります。この章では、無料配布を行っている自治体を紹介します。

エンディングノートを無料配布している自治体とは

エンディングノートを無料で配布している自治体とは、一体どのような所でしょうか。主な自治体を3つピックアップします。

1.東京都立川市

東京都立川市では、高齢者から自身の老後に関する相談を多く受けていることからエンディングノートに関する情報を公開しています。また、無料でダウンロードできるエンディングノート書式「大切な方への絆ノート」を公開しており、家族関係図や介護、お葬式のことなどが記載できるようになっています。

高齢福祉課や地域包括支援センター、福祉センターでは相談にも対応しており、市民生活へのサポート体制が充実しています。

参考URL エンディングノート「大切な方への絆ノート」PDF
エンディングノートに関する立川市の情報はこちら 「エンディングノート」の活用を

2.横浜市西区

横浜市のほぼ中央に位置し、みなとみらいなども有する西区でも、エンディングノートに関する情報を提供しています。

西区では「ウエスト・ライフストーリー~わたしの美望録」というオリジナルのエンディングノートを作成しており、PDFでの公開はもちろん、西区役所の高齢・障害支援課、地域ケアプラザ、社会福祉協議会での配布も行っています。

参考URL 西区版エンディングノート「ウエスト・ライフストーリー~わたしの美望録」PDF
エンディングノートに関する横浜市西区の情報はこちら 西区版エンディングノートについて

3.愛知県北名古屋市

2006年に合併により発足した愛知県北名古屋市は、名古屋市のベッドタウンとして知られる自治体です。北名古屋市では高齢福祉課が終活支援を行っており、「エンディングサポートノート」の無料配布を行っています。

北名古屋市市役所、社会福祉協議会、地域包括支援センターで配布を行っているほか、PDFでの配布も実施しています。

参考URL エンディングサポートノートPDF
エンディングノートに関する愛知県北名古屋市の情報はこちら 北名古屋市 終活支援

この他にも、静岡県富士市大阪府泉南市など、全国で無料配布を行っている自治体があります。気になる方は、お住まいの自治体にお問い合わせされてみてはいかがでしょうか。

自治体が配布を行う理由とは

全国の多くの自治体が、エンディングノートの無料配布に力を入れています。では、なぜ配布に力を入れているのでしょうか。その理由は主に以下の3つです。

1.高齢者福祉支援の一環

エンディングノートの配布は高齢者向けの福祉課が主体となって行っていることが多く、高齢者福祉支援の一環として提供されています。エンディングノートをきっかけに、医療
・介護・福祉支援につながるように相談体制も構築されており、健やかで明るい高齢者の市民生活を支えています。

2.高齢者の単身世帯向けの対策

日本は高齢者の単身世帯も増加しており、孤独死を迎える方もいます。死去後は誰が相続人となり、遺品整理などを担ってくれるのかわからず、自治体が費用を支払って対応するケースも見られます。エンディングノートがあれば家族構成も把握しやすく、自治体の費用削減にもつながるため、無料配布に力を入れています。

3.終活のきっかけにつなげるため

終活に関心を持つと、いらない不動産の処分や遺言書による財産継承なども検討しやすくなります。特に空き家は管理・解体のコストを自治体が強いられることが多く、なるべく発生させないようにさまざまな施策を導入しています。

エンディングノートがあると、終活のきっかけとなるご自身の財産整理が進みやすいため、無料配布に力を入れているのです。

自治体以外にも無料でエンディングノートを配布している?

自治体以外にも無料でエンディングノートを配布している所はあるのでしょうか。現在、葬儀関係のWEBメディアや銀行などで無料のエンディングノートが公開・配布されています。また、アプリを使ったエンディングノートも登場しています。詳しくは以下です。

銀行では無料のアプリも公開中

三菱UFJ銀行では、エンディングノートの作成をこれまで以上に身近にするために、「わが家ノート」と呼ばれるアプリを効果敷いています。手書きで書くのは面倒、気軽にスマホで記入したいという方向けに公開されており、すべての機能が無料で活用できます。

家族へのメッセージ、預貯金口座や有価証券の取引、借入金や不動産の情報などをまとめて入力できるため、大変便利です。ただし、アプリは「デジタル資産」としての注意点もあります。

スマホはご自身しか触れないように顔認証やパスワードを設定していることが多く、相続開始後に家族がスマホの中身を確認したくてもわからない、というケースがあります。気軽なアプリ版のエンディングノートを活用するなら、デジタル遺産についても念頭に置いて対応することがおすすめです。

参考URL アプリで始める!終活の第一歩 わが家アプリ byMUFG

まとめ

今回の記事では、エンディングノートについて、自治体から無料で入手する方法を中心に詳しく解説を行いました。全国多数の自治体でオリジナルのエンディングノートが公開・配布されています。お住まいの自治体以外のエンディングノートも、もちろん活用できますのでまずはお気軽に使ってみてはいかがでしょうか。

エンディングノートは、自分の思いや要望を書き残せるため、高齢となった自分がどのような医療を求めるのか、方針を示すこともでき自分のためにも役立ちます。ぜひ本記事をきっかけに、まずは気楽にエンディングノートを作成してみてはいかがでしょうか。

詳しくはこちらもご一読ください。
「デジタル終活とは|相続前に親と話しておきたいデジタル遺品整理を解説」もご参照ください。

この記事を書いた人:法律ライター 岩田いく実

損害保険会社勤務後、法テラスや一般民事系法律事務所でのパラリーガル経験を経て、法律ライターとして独立。交通事故被害者の家族として携わった高額訴訟の経験も生かし、年間60人を超える弁護士への取材も行い、書籍への執筆も行っている。
相続・交通事故や債務整理分野などを中心に記事制作活動を展開中。

相談したい分野から
専門家を探す

相談したい分野から専門家を探す