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相続相談は何回していい?専門家に嫌がられない相談のコツと内容別ベストタイミング

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相続は、多くの人にとって一生に一度か二度の経験です。わからないことだらけで当然ですし、一度の相談で全てを理解するのは困難でしょう。

しかし、専門家に相談するとなると、費用や時間のことも気になり、何度も足を運ぶのは気が引けるかもしれません。

この記事では、相続相談の適切な回数や、専門家と良好な関係を築くためのコツ、そして相談内容に応じたベストなタイミングについて、わかりやすく解説します。

この記事を読めば、相続に関する不安を解消し、スムーズな問題解決への第一歩を踏み出せるはずです。

1. 相続相談は「何度もしていい」と言える3つの理由

結論から言うと、相続相談は納得できるまで何度でもして問題ありません。むしろ、1回で終わらせようとすること自体に無理があります。

その理由は主に3つあります。

理由1:相続は想像以上に複雑で、1回では全容を把握できないから

相続と一言でいっても、やるべきこと、考えるべきことは多岐にわたります。たとえば、専門家が相談を受ける際には、最低でも以下のような点を確認する必要があります。

  • 誰が相続人なのか(戸籍謄本を取り寄せて確定させる必要があります)
  • 遺言書はあるか
  • 相続財産には何があるか(預貯金、不動産、株式だけでなく、借金などのマイナスの財産も含まれます)
  • 家族・親族間の関係性は良好か
  • 生前に特別な援助(特別受益)を受けた相続人はいるか
  • 被相続人の介護などに貢献(寄与分)した相続人はいるか

これらはほんの一部です。

近年では、離婚や再婚による家族関係の複雑化、認知症の方の財産管理、連絡の取れない相続人の存在など、さまざまな事情が絡み合い、相続はますます多様で複雑になっています。

こうした多くの情報を一度の面談で全て整理し、最適な方針を決めるのは現実的に困難です。そのため、複数回にわたって情報を整理し、方針を検討していくのが一般的です。

理由2:専門家は「熱心な相談者」を歓迎するから

「何度も質問すると、面倒な客だと思われないか」と心配になるかもしれませんが、実はその逆です。多くの専門家は、何度も相談に来る人を「問題解決に真剣に取り組む、熱心で準備のよい相談者」と捉え、むしろ歓迎します。

相続問題の解決には、相談者と専門家の信頼関係が不可欠です。丁寧なコミュニケーションは、お互いのストレスを減らし、より良い関係構築につながります。

専門家は、相談者の話にじっくり耳を傾け、表面的な問題だけでなく、その裏にある本当の想いや悩みを引き出すことを大切にしています。納得できるまで質問し、対話を重ねることで、より満足のいく解決策を見つけ出すことができるのです。

理由3:状況に応じて段階的な相談が必要だから

相続は、状況が変化することも少なくありません。たとえば、当初は見つからなかった遺言書が後から出てきたり、新たな財産が判明したりすることもあります。そのため、一度方針を決めた後も、状況の変化に応じて再度相談し、方針を修正していく必要があります。

特に、初回が「無料相談」の場合、どこまで相談できるのか、継続して相談する場合はどうなるのかを事前に確認しておくと安心です。実務上は、正式な依頼(受任)につながる可能性のある相談であれば、継続的に対応してもらえるケースが多く見られます。

2. 【生前対策編】相談回数を分けて考えるべきベストタイミング

相続は、発生してから慌てるのではなく、生前の元気なうちから対策を始めることが最も重要です。

これを「生前対策」と呼びます。生前対策の相談は、一度にすべてを決めるのではなく、人生の節目ごとに見直しを兼ねて相談するのがおすすめです。

元気なうち(思い立ったが吉日)

将来の相続に備えたいと考え始めたときが、最初の相談タイミングです。自分の財産を誰にどのように遺したいか、家族が揉めないためにはどうすればよいかなど、基本的な希望を専門家に伝え、遺言書の作成などを検討しましょう。

専門家は、家族関係やそれぞれの性格なども考慮しながら、最適な方法を提案してくれます。

資産や家族構成に変化があった時

結婚や子の誕生、離婚・再婚、あるいは不動産や株式の購入・売却など、資産状況や家族構成に大きな変化があった時は、対策を見直す絶好の機会です。

たとえば、新しい家族が増えれば、その人のための財産分与を考える必要があります。こうした変化に合わせて遺言書の内容を更新するなど、定期的なメンテナンスが大切です。

法律や税制が変わった時

相続に関する法律や税金の制度は、時代に合わせて変わることがあります。たとえば、2024年4月1日から相続登記が義務化されたり、生前贈与に関する税金のルールが変更されたりしています。こうした法改正は生前対策に大きく影響するため、専門家に相談して最新の情報に基づいた対策を講じることが重要です。

生前対策の要となる遺言書の作成については、「遺言書の作成は専門家に依頼すべき?メリット・デメリットや依頼すべき状況を解説」も参考にしてください。

3. 【発生後編】期限から逆算する相談のデッドライン

もし生前対策が間に合わず、相続が発生してしまった場合、相談は「時間との勝負」になります。相続手続きには法律で定められた期限があり、これを過ぎると取り返しのつかない事態になりかねません。特に重要な期限から、相談すべきデッドラインを逆算してみましょう。

相続手続き全体の流れはこちらで確認できます。

相続放棄・限定承認(3か月以内)

亡くなった方(被相続人)に借金などのマイナスの財産が多い場合、「相続放棄」という選択肢があります。これは、プラスの財産もマイナスの財産も一切引き継がない手続きです。

この手続きができるのは、原則として「自分が相続人であることを知った時から3か月以内」と非常に短期間です。財産調査に時間がかかることもあるため、借金の存在が疑われる場合は、亡くなってから1〜2か月以内には専門家に相談を開始すべきです。

相続税の申告・納税(10か月以内)

相続する財産の総額が一定額(基礎控除額)を超える場合、相続税の申告と納税が必要です。

この期限は「相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内」です。財産の評価や遺産分割協議には時間がかかるため、遅くとも相続開始から半年以内には税理士などの専門家に相談を始めることをおすすめします。

相続登記の申請(原則3年以内)

不動産を相続した場合、その名義変更手続き(相続登記)が義務化されました。

これには「自己のために相続の開始があったことを知り、かつ、当該所有権を取得したことを知った日から3年以内」という期限が設けられています。

遺産分割協議がまとまらない場合でも、別の手続き(相続人申告登記)が必要になるため、不動産がある場合は早めに司法書士などに相談しましょう。

4. 専門家に「嫌われる人」と「歓迎される人」の決定的な違い

専門家との関係を良好に保ち、相談をスムーズに進めるために重要なのは、相談の「回数」ではなく「質」です。専門家から見て「歓迎される相談者」と、「対応に困るケース」には、どのような違いがあるのでしょうか。

歓迎される相談者の特徴

専門家に歓迎される相談者の特徴は、以下のとおりです。

①事前に資料を準備・整理してくる

相談時間を有効に使うため、事前に資料を準備してもらえると非常に助かります。たとえば、親族関係をまとめたメモ(家系図)、財産の一覧、相談したい内容の要点などです。専門家によっては事前に「相談シート」を渡してくれる場合もあります。完璧でなくても、わかる範囲で準備する姿勢が大切です。

②不明点や懸念点を正直に話す

「こんなことを聞いたら恥ずかしいかも」などと遠慮せず、わからないことや不安なことは正直に話しましょう。特に、家族間の人間関係やお金に関する事実などは、後々大きなトラブルの原因になりかねません。専門家には守秘義務があります。正直に話すほど、より的確なアドバイスが可能になります。

③アドバイスを真摯に受け止め、実践しようとする

専門家からのアドバイスに対して真剣に耳を傾け、次回の相談までに依頼された資料を集めるなど、前向きに行動する相談者は、問題解決への意欲が高いと評価されます。こうした協力的な姿勢が、専門家との信頼関係を深め、解決への近道となります。

専門家が困ってしまうケース

一方で、以下のような相談者には、専門家も対応に苦慮します。

①嘘をつく、不利な情報を隠す

自分に不利な情報(たとえば、他にも借金がある、隠している財産があるなど)を隠したり、嘘をついたりすると、正しい状況判断ができず、後で全てが覆る可能性があります。遺言書を勝手に開封したり、相続財産を勝手に使ってしまったりするのも、トラブルの元です。

②感情的になりすぎて話が進まない

相続には家族間の長年の感情的なしこりが絡むことも多く、感情的になるのはある程度やむを得ません。しかし、専門家への不満をぶつけ続けたり、他の相続人の悪口に終始してしまったりすると、具体的な話し合いが進まなくなってしまいます。冷静に事実と希望を伝えることが大切です。

③アドバイスを聞かず、自分の主張ばかり繰り返す

専門家は法律や実務に基づいた客観的なアドバイスを提供します。それに対し、法的に無理な要求を繰り返したり、アドバイスを一切聞き入れなかったりすると、解決が遠のいてしまいます。

5. 迷ったらどこへ?内容別・おすすめの相談窓口ガイド

相続の相談先は一つではありません。相談したい内容によって、最適な専門家は異なります。それぞれの専門家の得意分野を知り、うまく使い分けることが重要です。

①弁護士

相続人同士で揉めている、または揉めそうな場合に頼りになります。遺産分割協議の代理人として交渉したり、調停や審判といった法的な手続きを進めたりすることができます。

②司法書士

不動産の名義変更(相続登記)の専門家です。遺産に不動産が含まれる場合は、ほぼ必ずお世話になるでしょう。遺言書の作成支援や、成年後見に関する手続きも得意です。

③税理士

相続税の専門家です。相続税の申告が必要な場合や、生前の節税対策(生前贈与など)を考えたい場合に相談します。財産の評価額が大きく、相続税が高額になりそうな場合は必須のパートナーです。

④銀行などの金融機関

遺言の保管や、遺言に基づいて財産を分配する「遺言信託」や「遺産整理業務」といったサービスを提供しています。手続き全般をまとめて任せたい場合に選択肢となりますが、各専門家への費用が別途発生する場合もあるため、サービス内容と費用の確認が重要です。

銀行への相続相談については、「銀行に相続相談すべき人・すべきでない人の特徴(銀行の遺産承継サービスが向いている人・向かない人)」もご覧ください。

⑤市区町村役場・法務局など

手続きに必要な戸籍謄本や住民票などを取得する窓口です。また、法務局では相続登記の義務化など、制度に関する基本的な相談を無料で行っている場合があります。自分で手続きを進めたい場合の情報収集の場として活用できます。

現代の相続は複雑なため、税務は税理士、登記は司法書士、紛争は弁護士といったように、複数の専門家が連携(ネットワーク)して一つの案件に対応することも珍しくありません。

まずは窓口となる専門家を見つけ、必要に応じて他の専門家を紹介してもらうのもよい方法です。

相続の相談窓口について、もっと詳しく知りたい方は「相続発生!困ったときの相談窓口をパターン別に紹介」もご覧ください。

まとめ

相続相談は、決して特別なことではありません。わからないことがあれば、「遠慮せず、テーマを絞って、早めに」専門家に相談することが、最終的に時間的・金銭的コストと精神的なストレスを最小化する最善の方法です。

この記事が、あなたの相続に関する不安を少しでも和らげる一助となれば幸いです。

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この記事を書いた人:弁護士 中澤泉

2015年司法試験合格。2017年弁護士登録。弁護士事務所での実務経験を積んだ後、メーカにてインハウス弁護士として勤務。2023年からは弁護士業の傍ら法律ライターとしても活動を開始。弁護士としての経験をもとに、多様な法律分野で執筆を行う。

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